蕎麦の効用はさまざまで、口内炎や口角炎などの口の中や 舌の炎症、多発性神経炎脚気などを予防するほか、疲労を回復し、 頭がぼんやりしたり、物忘れがひどくなったり、昼間から眠くなったり、精力が減退 したりする無気力、体力低下の防止にも役立つビタミン類や、アミノ酸もバランスよ く含んでいます。蕎麦は湯や汁に 成分を流出させないで、そのよい成分を丸ごと食 べるよう工夫すれば腸のぜん動をよくし、便通を整えます。また、利尿効果もあるた め、体内の老廃物を排泄させ、浄血、のぼせ性、冷えやすいからだ、いつも顔色の悪 い人に効果的です。 

最初にちょっと、ツユの濃淡を見定めておき、好みに応じてツユを適当につけるのだが、薬味は二箸目から用いるものと古人は訓えている。蕎麦を猪口の中でかき回したり、こね返したりしないこと。猪口は必ず手に持つこと。ツユは時々つぎたす物で、最初から景気よく猪口につがず、終いまで同じ味で楽しむこと、蒸籠に食べ残しの汚いさまを見せないこと、余事乍ら傍目にも旨そうに食べているように見える心得も必要であろう。そばは飯を食べるのとは違うことはもちろんだが、呑むものの代表は夏目漱石の小説「吾輩は猫である」に登場する迷亭の食べっぷりだが、敢えてこれをまねる必要はない。十七世紀末、霊元天皇は上皇となられてからも公卿方を召されて、蕎麦会の催しをなされた。その席には信任厚かった歌道の家系として有名な風流人冷泉為久卿も侍ったに違いないが、その頃の食べ方としては、椀に盛られた蕎麦を箸でちぎって、ツユをつけて食べたように察せられる。この時のことではないが、古書に「さもなくしては醜く候」とあるところを見れば、時と所とによっては、こうした食べ方もあったようである。東北には「はじめツルツルあとカメカメ」と言う事があるが、これは一種の祝い言葉と見て差し支えない。
   
蕎麦は様々な名称で呼ばれる。例えば「御前蕎麦」「田舎蕎麦」。前者は白い蕎麦、後者は黒っぽい蕎麦を言う。それぞれ、味、香り、舌ざわりなどが異なる。これが、大名など上流階級の蕎麦の区別にもなっていた。それが、「更科」系、「薮」系など蕎麦屋の屋号の起こりになっている。これらは大ざっぱな分け方で、一般には石臼で引いて蕎麦粉をとる方法で次のように呼んでいる。

①製粉にかかる前に、貯蔵してあった玄蕎麦(殻付のもの)を庭に広げ、天日で十分乾燥させる。
②次に「角おし」(みがきとも言う)といって、泥、屑等を除く。屑は、主に三角形の蕎麦の実の一角に着いているヘタである。これが蕎麦粉に混じると風味を落とす。更に篩で玄蕎  麦を大・小に分ける。
③この玄蕎麦を石臼で粗挽き(引き抜き)すると、黒い外皮がはがれる。同時に、蕎麦の粒の形を保ったもの(丸引き)と、大きく割れたもの(割れ)、五つ位に割れて2ミリ程の粒になったもの(上割れ)ができる。また、粒が割れたときに出る粉を「花粉」といって、蕎麦を打つときに振りかける「打ち粉」に使う。これは「更科粉」に劣らない良品である。花粉は見た目には白いが、水で溶くと黒っぽくなる。
④「上割れ」は全体の三割ほど出るが、これだけを選別して挽いたものが「更科粉」で、この粉だけで蕎麦を打つと真白な「更科蕎麦」になる。
⑤「上割れ」を除いたもの(「丸抜き」と「割れ」)が並の蕎麦粉の原料になる。まず最初に軽く挽いたものが「一番粉」で、これも色の白い粉である。
⑥更に挽いて篩ったものが「二番粉」。
⑦残ったものをもう一度挽いたものが「三番粉」。最後に残ったものが「した粉」で、蕎麦の甘皮の部分。
⑧一番粉は旨味もあり、香りも良く、甘みのある蕎麦ができるが、粘りが少ないので、蕎麦切りを作るには高度の技術が要求される。二番粉以下がいわゆる「田舎蕎麦」といわれ、香りと歯ごたえと、蕎麦独特のアクの強さを売り物にしている。
⑨以上から分かるように、蕎麦は色が濃いから蕎麦粉を多く使っているとは言えない。白い蕎麦も、黒い蕎麦もそれぞれ持ち味がある。それらを味わい分けることのできる人が本当の『蕎麦通』である。

出石皿そば 一鶴(イッカク)
兵庫県豊岡市出石町福住字上清水191-1
TEL/FAX:0796-52-6655
営業時間:10:30~19:00
(夕方は売切れご免 18:00以降はご予約をお願い致します)
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